新型コロナウイルスが日本中を駆け巡っているが、そんななか東京に行かなければならなかった。
若いころ、東京で修業していた会社の会長さんが亡くなった。
急な知らせでビックリしたが、94才と聞いて、もうそんなになるのかと思った。
このようなご時世なので、当然葬儀・お通夜も無いが、遺族の方がご焼香の日を設けて頂いたので、最後のお別れに伺った。
さすがに朝6時の始発の新幹線はガラガラで車両に3人程度乗っているだけだったが、1時間後に高崎駅に着くと当然通勤時間なので、どっと人が乗ってきた。
外していたマスクをすぐに着けて、隣前後とは距離を取るように外を向いて、東京駅まで我慢した。
東京駅も比較的空いていたが、朝8時台の東京駅はさすがに時差出勤とはいえ人が居ないわけではなかった。
乗り換えて、ホームに上がり、山の手線と京浜東北線どちらかを乗るのだが、混んでる山手線をスルーして京浜東北線のそれも前側の車両に移動したら空いていたので、人との間隔を空けて乗ることが出来た。
目的の場所は東京港区高輪にある、高野山東京別院という真言宗のお寺である。
最近できた高輪ゲートウェイ駅が最寄駅である。
田町駅を過ぎ品川駅に向かう途中に、真新しい駅舎が見えてきた。
新しいフローリング調のホームに降りると、他には3人くらいしか降りなかった。
混雑する山手線内の駅にしては物凄く静かな駅だった。
高い天井やガラス張りの駅舎が快晴の青空を映していた。
駅の中にはスタバが一軒、その他は今話題の無人コンビニがあるだけだった。
駅も完全には出来ておらず、外の広場も工事中で新しいアスファルトのロータリーが第一京浜まで通してあるだけあった。
第一京浜を渡って前方は急な登り坂になっていた。
交差点のコーナーに石垣があって石碑があり、江戸時代にはこの辺りが海岸線だった様だ。
桂坂という坂を上り始めると、雰囲気が一変して高級住宅街のような家並みや垣根、石垣の塀などが並んでいた。
しばらくして坂の勾配が緩やかになったところで目的の高野山東京別院のお寺が近づいたが、振り返って登ってきた坂を見ると、坂の下の第一京浜の道路と撤去中の路線がある高輪ゲートウエイ駅周辺が海だったら、なんとも素敵な風景なんだろうと思った。
新しい駅に降り、東京の発展に皮肉さを感じた・・・